ペルソナの作り方|
ペルソナシートの主要項目・作成手順を解説
近年、注目が高まっているペルソナマーケティング。自社商品の典型的な顧客像であるペルソナを作成することで、商品や施策の精度を高めることが可能です。
本記事では、ペルソナの作り方が知りたい方のために、ペルソナの主な項目と基本的な作成手順を解説します。
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ペルソナ把握のための定性調査実践ガイド
自社プロダクトに適したペルソナを作り、マーケティング戦略に落とし込むために欠かせない定性調査の解説とともに、調査担当者に求められるスキルを解説しました。
STEP1:ペルソナの項目を検討する
早速、ペルソナの作り方を見ていきましょう。
まず、ペルソナを構成する項目を検討します。ペルソナの項目について明確なルールなどはありませんが、デモグラフィック属性(人口統計学的属性)やサイコグラフィック属性(心理学的属性)をベースに、自社の商材や目的に応じた項目を設定することが基本です。
ペルソナの代表的な項目例を以下に挙げます。
プロフィール
ペルソナの基本的な属性がわかる情報であり、ペルソナの作成に欠かせない項目です。
- 氏名
- 性別
- 年齢
- 居住地域
- 未婚・既婚、家族構成
- 学歴
- など
仕事内容・収入
仕事に関する情報も、ペルソナを作り上げるために必要な基本項目です。ペルソナの社会的な役割や収入などを把握する上で重要です。
- 職種
- 役職
- 勤続年数
- 仕事内容
- 年収
- など
性格・価値観
性格や価値観などのパーソナリティに関する項目です。ペルソナの行動や意思決定に影響を与える要素であるため、ペルソナの作成に欠かせません。
- 性格傾向
- 人生観
- 信条・モットー
- 関心事
- チャレンジしたいこと
- 目標・なりたい姿
- など
趣味嗜好・ライフスタイル
趣味嗜好やライフスタイルに関する項目では、ペルソナの人物像を明確にすることができます。また、お金や時間の使い方を把握するのに役立ちます。
- 趣味
- 休日の過ごし方
- 習慣
- よく行くエリア・ショップ
- 好きなブランド
- 消費傾向
- 1日のスケジュール
- など
情報収集の手段
買い物や関心事について、普段どのように情報を収集しているかを確認する項目です。ペルソナの情報収集の傾向やよく使用するメディアなどは、広告・プロモーション施策の検討に活用できます。
- 主な情報収集の手段(Web、テレビ、新聞、雑誌、家族や友人の口コミなど)
- 使用しているPC・モバイル端末
- よく使用するSNS
- 好きなWebサイト・アプリ
- など
調査対象の商品・カテゴリーに関する項目
ペルソナを作成する商品・サービスやカテゴリーにまつわる項目を設定すると、訴求対象の人物像が明確になり、施策を検討しやすくなります。
- 関心度
- 利用状況
- 困っていること・ニーズ
- など
STEP2:ペルソナに関する情報を収集・整理する
ペルソナの項目が決まったら、それらに関する情報を収集・整理します。
情報収集の手段
情報収集は、ペルソナを作成するための重要なプロセスです。調査やアクセス解析などの様々な手段で、ペルソナにまつわる情報を収集しましょう。
一般的には、以下のような手段で情報収集を行います。
- アンケート調査
- インタビュー調査
- ホームページやECサイトのアクセス解析
- ソーシャルリスニング(SNSや口コミサイトなど)
- 既存データの活用(顧客データ、過去のアンケートデータなど)
- コンタクトセンターの問い合わせ履歴
- 顧客と接点のある担当者へのヒアリング
ペルソナの作成では、性格や価値観、ライフスタイルなどのサイコグラフィック属性の情報を具体的に設定する必要があるため、定性データをしっかりと収集することが肝要です。定性データとは、行動の理由や感情などの数値化できない「質的な情報」のことです。
ペルソナの定性データを収集するにはインタビュー調査が適しています。インタビュー調査では、対象者との対話を通じて「生の声」を収集し、生活実態やインサイトを把握することができます。
以下の記事も参考にしてください。
消費者インサイトとは|ニーズとの違い・活用例・調査手法を解説
インタビュー調査とは|種類と活用例・メリット・デメリット・進め方のコツ
消費者の実態・インサイトに迫るインタビュー調査|5つの活用方法と3つの基本ポイント
ペルソナに関する情報を抽出する
次に、収集した情報からペルソナに関する情報を抽出・整理していきます。あらかじめ設定したペルソナ項目に当てはまる情報を書き出したり、共通項をグルーピングするなどして、膨大な情報を仕分けましょう。
様々な手段で情報を集めると、ペルソナとの関連性が低い情報や、想定とは異なる情報などが含まれていることがあります。明らかに不要な情報は除外する必要がありますが、想定していなかったとしても、ペルソナに関して共通性や代表性がありそうな情報については精査した上で要・不要を判断しましょう。
STEP3:ペルソナシートを作成する
情報の整理が終わったら、ペルソナのアウトラインを作成し、ストーリー風に文章化してペルソナシートを完成させます。
ペルソナシートとは、ペルソナの情報を1枚にまとめた一覧のことです。以下のように、あらかじめ設定した項目をレイアウトしたペルソナシートを用意しましょう。
<ペルソナシートのフォーマット例>
|
<現在の状況>
<悩み・困っていること> <目標・なりたい姿> |
< 仕事内容> |
<ライフスタイル・消費傾向> |
<性格・価値観> |
<情報収集> |
ペルソナのアウトラインを作成する
整理した情報を元に一気にペルソナシートを完成させることは難しいため、まずは顧客像のアウトラインを作成します。設定した項目ごとに、当てはまる情報を箇条書きなどで書き出しましょう。アウトラインを作成しておけば、顧客のパーソナリティやライフスタイルが鮮明にイメージしやすくなります。
ストーリー風に文章化する
作成したアウトラインを元に、ペルソナを完成させます。箇条書きでまとめた情報に肉付けしながら文章化し、ペルソナシートを書き上げていきましょう。プロフィールなどの基本情報は箇条書きで端的に記載し、パーソナリティやライフスタイルに関する項目は、背景やエピソードを交えてストーリー風に文章化します。
箇条書きのレベルでも人物像をある程度把握することができますが、文章でまとめた方が人物像が鮮明になり、関係者間で認識のズレを防ぐことができます。
ペルソナについては以下の記事も参考にしてください。
ペルソナマーケティングの基礎知識|ペルソナの意味や設定するメリット・手順を解説
「ペルソナ設定」とは|ペルソナの基本項目・設定方法・注意点を解説
ペルソナ分析の基本|ペルソナを分析する手順・ポイントや活用方法を解説
ペルソナを作成して顧客像を明確にしよう
ペルソナは、様々な施策の方向性を決める起点です。ペルソナの作成は時間やマンパワーを要しますが、訴求対象となる顧客像が明確になり、顧客視点に立ったマーケティングを展開しやすくなります。マーケティングの精度に課題を感じている場合は、ご紹介した作り方を参考に、ペルソナを作成してみることをおすすめします。
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ペルソナ把握のための定性調査実践ガイド
自社プロダクトに適したペルソナを作り、マーケティング戦略に落とし込むために欠かせない定性調査の解説とともに、調査担当者に求められるスキルを解説しました。