消費者インサイトとは|
ニーズとの違い・活用例・調査手法を解説

9 May.2022 / インサイト

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マーケティング施策の精度を高めるためには、「消費者インサイト」を把握することが重要です。とは言え、そもそも消費者インサイトとは何かを理解していなければ、マーケティング施策が誤った方向に進むことがあるため注意が必要です。

そこで今回は、消費者インサイトの意味・重要性やインサイトの発見につながる調査手法を解説します。

消費者のホンネが見えてくる インタビュー調査実例集

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消費者のホンネ、すなわち”インサイト”を探るためのインタビュー実例を、活用シーン別・業種別に9種類ご紹介します。

消費者インサイトとは

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まずは、消費者インサイトの意味や重要性について見ていきましょう。

本人さえ自覚していない本音・深層心理

インサイト(Insight)の直訳は「洞察」や「本質を見抜くこと」です。マーケティング分野では「消費者インサイト」を指し、消費者の行動において本人が自覚していない動機や本音を意味します。

消費者インサイトは「潜在ニーズ」と混同されやすいですが、消費者の購買心理を考える上では性質が異なるため区別して捉えるべきでしょう。

どういうことかと言うと、消費者心理は「本人が意識している領域(表層心理)」と「無意識下の領域(深層心理)」に分かれており、消費者インサイトは潜在ニーズより深い領域に位置しているからです。

具体的には以下です。

  • 顕在ニーズ:本人がすでに自覚・認識しているニーズ
  • 潜在ニーズ:本人は明確に自覚していないものの、インタビューなどで顕在化できるニーズ
  • 消費者インサイト:本人が無意識にもっている、深層心理に隠されたニーズ

消費者インサイトは消費者心理の最も深いところにあり、購買行動に大きな影響を与える本質的な要因です。そのため、調査で丁寧にアプローチして的確に捉えたいところです。

なぜ、インサイトが重要なのか

従来、マーケティングでは消費者のニーズを把握することが重視されていましたが、近年は消費者インサイトの重要性が高まっています。その背景には、「市場の飽和」や「購買行動の多様化・複雑化」などがあります。

既存市場は顕在化されたニーズを満たす商品であふれており、ニーズに着目した商品を開発しても売上を伸ばせない状況です。また、インターネットの普及やライフスタイルの変化に伴って、消費者の価値観や購買プロセスは多様化し、消費者本人でさえ気づいていない無意識の購買行動が増えています。

このような状況で消費者に響く商品を打ち出すために、無意識下のインサイトを捉えて差別化を図ることが求められているのです。

消費者インサイトの活用方法

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消費者インサイトを発見できれば、マーケティング活動の精度を高めることが可能です。ここでは、消費者インサイトの活用方法の一例をご紹介します。

精緻なターゲット像(ペルソナ)の設定

マーケティング戦略を組み立てる上で欠かせないのが、商品・サービスの典型的なユーザー像を表す「ペルソナ」の設定です。

ペルソナの設定では、年齢・性別・家族構成といった基本的な属性情報に加えて価値観やライフスタイル、趣味嗜好なども具体的に設定し、リアルな人物像を描くことが重要です。

消費者インサイトを把握することができれば、深層心理にまで踏み込んだ精緻なペルソナ設定が可能になり、ターゲットに響く商品コンセプトや広告施策を生み出せるようになります。

ターゲットの心理を捉えたカスタマージャーニーの作成

ターゲットに適切な情報・サービスを提供するには、購入に至るまでのプロセスや気持ちの変化を一覧化した「カスタマージャーニー」を作成することが重要です。

消費者インサイトは、カスタマージャーニーにおけるターゲットの思考・心理の変遷を捉えるのに役立ちます。それにより、タッチポイントごとに有効な施策を検討しやすくなり、ターゲットにとって快適な購買行動を後押しできるようになります。

消費者インサイトに迫ることができる調査手法4つ

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では、どうすれば消費者インサイトを把握することができるのでしょうか。ここでは、消費者インサイトの探索に有効な調査手法を4つご紹介します。

インタビュー調査

最も基本的な方法はインタビュー調査です。消費者にインタビューを実施して、その人のライフスタイルや価値観、商品の評価などを聞き出します。あらかじめ用意された選択肢から回答するアンケート調査とは異なり、インタビュー調査では対話をしながら回答をさらに深掘りすることができます。「なぜ、そう思うのですか?」と質問をくり返すことで、深層心理にある願望や欲求を引き出すことが可能です。

インタビュー調査の種類や特徴について知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

インタビュー調査(定性調査)とは|初心者が知っておきたい活用例・手法・実施フロー

デプスインタビューとは|メリット・デメリットと実施の流れを解説

グループインタビューとは?|調査の基本概要とメリット・注意点

行動観察調査(エスノグラフィ調査)

対象者の自宅や普段利用している店舗などに訪問・同行し、商品を使用する様子や買い物をする様子などを観察する調査手法です。商品の使い方や購買行動には、無意識の行動や仕草も多く見られるため、インサイトの発見に効果的です。

MROC

MROC(エムロック)は「Marketing Research Online Community」の略語で、オンラインコミュニティを活用した調査手法です。調査対象者をオンライン上の専用コミュニティに集めて意見交換や交流をしてもらい、そこから様々な情報を収集します。交流に調査主体が介入しないため率直なやりとりが期待でき、消費者の本音やインサイトにつながる情報を得やすいです。

ソーシャルメディア分析

TwitterやInstagram、ブログ、口コミサイトなどのソーシャルメディアを分析することもインサイトの探索に役立ちます。ソーシャルメディアは匿名でも発信できるため、生活者やユーザーの本音を収集することができます。生活実態だけではなく、「こうなりたい」「こう見られたい」といった欲求や深層心理が表れやすいメディアでもあるため、インサイトのヒントが得られるでしょう。

消費者の本当の欲求を見つけよう

深層心理にある消費者インサイトを把握することは容易ではありません。しかし、表面的なニーズばかりを追いかけていては、飽和化・複雑化している市場で勝ち抜くことは難しいでしょう。消費者インサイトは、インタビュー調査や行動観察調査、ソーシャルメディア分析などを通じて探ることが可能です。消費者の深層心理にある本音・欲求を把握し、効果的なマーケティング施策につなげましょう。

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