ペルソナ分析の基本|
ペルソナを分析する手順・ポイントや活用方法を解説

28 June.2022 / ペルソナ

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顧客視点に立ったマーケティングの重要性が高まっている昨今、「ペルソナ分析」に取り組む企業が増えています。ペルソナ分析を行えば顧客理解が深まり、商品開発や広告施策などの精度を高めることが可能です。

今回は、ペルソナ分析の役割や基本手順、活用方法などを解説します。

ペルソナ把握のための定性調査実践ガイド

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ペルソナ把握のための定性調査実践ガイド

ペルソナを深く理解し、マーケティング戦略に落とし込むために欠かせない定性調査の解説とともに、調査担当者に求められるスキルを解説しました。

ペルソナ分析とは

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まずは、ペルソナ分析とは何なのかを見ていきましょう。

典型的な顧客像を設定するマーケティング手法

マーケティングにおけるペルソナは「商品・サービスの典型的な顧客像」を意味し、その顧客像を詳細に設定するプロセスをペルソナ分析と言います。

ペルソナ分析では、以下のような項目を具体的に設定し、「実在しそうな一人の顧客」を作り上げていきます。

<ペルソナの項目例>

  • 基本情報(氏名、年齢、性別、居住地など)
  • 家族構成・人間関係
  • 職業・業種・役職・年収
  • 趣味、関心事
  • 好きなエリア・ショップ
  • 価値観・目標
  • 情報収集方法

ペルソナはターゲットと混同されることがありますが、ターゲットは年齢・性別などのデモグラフィック属性で大まかにグルーピングした“顧客層”のことです。一方ペルソナは、デモグラフィック属性だけではなく、ライフスタイルや価値観などのサイコグラフィック属性も定義してリアリティのある一個人を設定します。

ペルソナ分析の目的

ペルソナ分析の主な目的は、顧客の理解を深めてニーズを的確に把握し、効果的な施策につなげることです。

近年は生活者のライフスタイルや価値観などが多様化しているため、深い顧客理解に基づいたマーケティングの重要性が高まっています。その点、ペルソナ分析では、一人の顧客像を具体的かつ詳細に作り込んでいくため、顧客の行動パターンや求める情報・解決策などを的確に捉えやすくなります。

また、ペルソナを設定すると関係者間で同じ顧客像を共有できるようになるため、マーケティングや営業、開発、広報などで施策を検討する際に認識のズレを防ぐことができます。関係者間で明確な顧客像を共有することは、マーケティングの精度向上につながります。


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ペルソナ分析の基本手順とポイント

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次に、ペルソナ分析の基本的な手順と、分析を効果的に進めるポイントを3つ紹介します。

基本手順

ペルソナ分析の大まかな手順は以下の通りです。

  1. 大まかなターゲットを決める
  2. ペルソナの項目を決める
  3. ペルソナの分析に必要な情報を収集する(調査やアクセス解析、既存の顧客データなど)
  4. 情報を整理してペルソナのアウトラインを作成する
  5. ペルソナシートを作成する

ペルソナ分析では、まず既存の顧客情報やアンケートデータなどを元にターゲット(顧客層)を決め、そこからペルソナ(一人の顧客像)を設定していきます。調査データや既存データなどからペルソナ分析に必要な情報を収集・整理し、ペルソナの情報を一覧にまとめたペルソナシートを作成する流れとなります。

ペルソナの設定方法や手順については以下の記事も参考にしてください。
ペルソナマーケティングの基礎知識|ペルソナの意味や設定するメリット・手順を解説
「ペルソナ設定」とは|ペルソナの基本項目・設定方法・注意点を解説

ポイント①ペルソナ分析の項目を精査する

ペルソナ分析では、商品特性に合った項目を設定することが重要です。上記で紹介した項目はあくまでも一例であり、ペルソナの用途に応じて項目を取捨選択・追加する必要があります。

例えば、化粧品メーカーでペルソナ分析を行う場合は、「最近のスキンケアの悩み」や「化粧品選びの基準」「メイクの参考にしている情報・人物」など、商品カテゴリーに関する具体的な項目を追加すると人物像がクリアになります。

どのような項目を設定するか迷った時は、ペルソナの購買行動や意思決定に影響を与えそうな項目を洗い出し、影響度の高いものは全て設定することをお勧めします。

ポイント②ターゲットの「生の声」を集める

ペルソナ分析の精度を高める肝となるのは、ターゲットの行動特性や価値観、心の動きなどのサイコグラフィック(心理学的)データをしっかりと収集することです。ペルソナ分析における情報収集手段は多岐に渡りますが、特にサイコグラフィックデータの収集に効果的な手段はインタビュー調査です。

インタビュー調査では、ターゲットとの対話を通じて行動の背景やインサイトなどを探ることができます。ターゲットの「生の声」を多く収集できるため、リアリティのあるペルソナの設定に役立ちます。

インタビュー調査の基本が知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
インタビュー調査(定性調査)とは|初心者が知っておきたい活用例・手法・実施フロー
インタビュー調査の方法|進め方のコツと成功のポイントとは
消費者の実態・インサイトに迫るインタビュー調査|5つの活用方法と3つの基本ポイント

ポイント③ストーリー形式でまとめる

ペルソナを設定して顧客の人物像を鮮明に浮かび上がらせるためには、収集した情報をストーリー形式でまとめることが効果的です。

ペルソナの仕事内容や悩みについてまとめた例を以下に挙げます。

<仕事内容>
食品メーカーの営業職として50社を超える企業を担当。日中はお客様との打ち合わせや商談をこなし、夕方からは資料作成やメール対応などを行っている。最近は後輩の指導や上司のサポートなど、担当業務以外の仕事も増えている。

<悩み>
今の仕事が好きだし、これまでのキャリアには満足しているけれど、業務に追われて自己研鑽やプライベートの時間があまり無いのが悩み。結婚や出産のことも考えると、今のような働き方を続けるのは難しいと感じている。

人物像は箇条書きなどで情報を羅列するだけでもある程度は把握できますが、ストーリー風に文章化することで、ペルソナのライフスタイルや気持ちをリアルにイメージしやすくなります。


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分析・設定したペルソナの活用方法

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ペルソナ分析で設定した顧客像は、様々な施策を検討する起点となります。ここでは、ペルソナの主な活用方法を3つ紹介します。

商品やサービスの開発

ペルソナ分析でリアルな顧客像を設定すれば、顧客が抱えている悩みや目標、価値観などから商品開発のヒントを得ることができます。

例えば、ペルソナが「生活に必要な物はデザイン性より機能性を重視する」「シンプルなものが好き」という価値観・嗜好性を持つ場合、「デザインに凝ったハイスペックな商品」ではなく「不要な機能を削ぎ落したミニマルなデザインの商品」といった商品開発の方向性が見えてきます。また、収入や家族構成、趣味などの情報は、商品の価格を決める判断材料となります。

広告・プロモーション施策の企画

ペルソナ分析を行えば、顧客の購買プロセスや情報収集の傾向、好きなメディア・SNS・アプリなどを把握できるため、顧客への訴求効果が高い広告・プロモーション施策を検討しやすくなります。

現代の生活者への訴求手段は、マスメディアやWebメディア、店頭販促物、屋外広告など多岐に渡ります。顧客像を明確にすることで、「ソーシャルメディアを中心としたWeb広告を展開する」「インフルエンサーを起用したオンラインイベントを開催する」など、効果的な媒体の選定や施策の検討につなげることができます。

Webサイトの制作

顧客に自社のホームページやECサイトを利用してもらうには、顧客の情報ニーズやユーザビリティに配慮されたWebサイトを制作することが重要です。ペルソナを分析すれば、顧客の悩みや関心事が明確になり、情報ニーズを満たすコンテンツを制作できます。また、ペルソナのパーソナリティや情報収集の傾向から、「画像を少なめにする」「柔らかいイメージのフォントを使用する」などの判断ができるようになります。

ペルソナ分析で顧客理解を深めよう

ライフスタイルや価値観が多様化している現代において、顧客のニーズを的確に捉えることは容易ではありません。ペルソナ分析を行えば、深い顧客理解に基づいてニーズに合った商品や施策を検討できるようになるため、マーケティングの精度向上が期待できます。

ご紹介した手順やポイントを参考に、自社の商品・サービスのペルソナを分析してみましょう。

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ペルソナを深く理解し、マーケティング戦略に落とし込むために欠かせない定性調査の解説とともに、調査担当者に求められるスキルを解説しました。

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