BtoBマーケティングにおけるペルソナとは?|
ペルソナの基本項目や設定方法を解説

28 June.2022 / ペルソナ

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ペルソナの設定はBtoBマーケティングでも有効な手法として注目されています。個人を対象としたBtoCとは異なり、BtoBではどのようにペルソナを設定するのでしょうか。

本記事では、BtoBマーケティングにおけるペルソナの役割や種類、設定する基本手順を解説します。

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BtoBマーケティングにおけるペルソナの役割

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マーケティングにおいて、ペルソナは自社の商品・サービスを使用していそうな「典型的な顧客像」のことを意味します。ペルソナは主にBtoCマーケティングで活用されていますが、BtoBマーケティングにおいても有効な手法です。

まずは、BtoBにおけるペルソナの役割やメリットを見ていきましょう。

BtoBのペルソナとは

ペルソナとは、自社で設定する「実在しそうな一人の顧客」です。年齢・性別などのデモグラフィック属性で大まかにグルーピングしたターゲット(顧客層)とは異なり、性格・ライフスタイル・価値観などのサイコグラフィック属性についても詳細に設定し、リアリティのある一個人を作り上げていきます。設定したペルソナは、商品・サービスやマーケティング施策などの検討に活用します。

ペルソナの基本的な意味や役割はBtoBでも同じです。しかし、BtoBではマーケティング対象が企業・部署などの組織であり、購入や契約の意思決定に関わる人物が複数人いるケースが多いため、「企業・組織」と「個人」に分けてペルソナを設定します。

個人を対象とするBtoCマーケティングでは、一人の人物が情報収集から意思決定まで一貫して行うケースが多いため、ペルソナも一人の個人を設定します。一方、BtoBでは購入検討者(担当者)と決裁者が異なる場合があるため、顧客企業の意思決定プロセスに応じたペルソナを設定する必要があります。

ペルソナの基礎知識については、以下の記事を参考にしてください。
ペルソナマーケティングの基礎知識|ペルソナの意味や設定するメリット・手順を解説
「ペルソナ設定」とは|ペルソナの基本項目・設定方法・注意点を解説
ペルソナ分析の基本|ペルソナを分析する手順・ポイントや活用方法を解説

BtoBでペルソナを設定するメリット

企業を対象としたBtoBマーケティングでは顧客の具体的なイメージがつかみづらく、関係者間で顧客像の認識にズレが生じやすい傾向があります。

例えば、あるITサービスの顧客像について、マーケティング担当者は「大手企業のシステム開発部門の部長」を想定し、営業担当者は「中小企業の総務部門の担当者」を想定した場合、マーケティング施策や営業施策の整合性がなくなり、一貫性のある訴求・アプローチができなくなってしまいます。

その点、ペルソナを設定すれば、「こういう事業内容・規模の企業で、このような課題を解決したい担当者」といった顧客像を明確化でき、マーケティング・営業・商品開発・広報などの関係者間で共通認識を持てるようになります。

関係者間で同一の顧客像を共有することは、施策の方向性や訴求ポイントの明確化にもつながるため、一貫性のあるマーケティングを展開しやすくなります。

BtoBで設定するペルソナの種類・項目例

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先述の通り、BtoBでは「企業・組織のペルソナ」と「個人のペルソナ」の2種類を設定します。ここでは、それぞれの一般的な項目例をご紹介します。

企業・組織のペルソナ

企業や組織のペルソナは、以下のような項目で作成します。

  • 会社名
  • 業種
  • 所在地
  • 資本金
  • 従業員数
  • 事業内容
  • 売上高
  • 決算月
  • 企業のミッション・課題
  • 社風・企業風土
  • など

業種や規模などの基本情報だけではなく、企業が抱える課題や企業風土なども詳細かつ具体的に設定し、リアリティのある企業像を作り上げていきます。

個人のペルソナ

個人のペルソナでは、購入・契約の検討や意思決定に関わる人物の基本的な属性情報や会社におけるポジションなどを設定します。具体的には以下の項目が挙げられます。

  • 氏名・年齢・性別
  • 所属部署
  • 役職
  • 勤続年数
  • 決裁権の有無
  • 業務内容
  • 業務上の課題・悩み
  • 業務上の目標
  • 情報収集手段
  • 性格・関心事など

商品を検討する担当者と決裁者が異なるなど、購入・契約に関わる人物が複数いる場合は、それぞれに対してペルソナを設定します。

BtoBのペルソナを作成する方法・基本手順

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それでは、実際にBtoBのペルソナはどのように作成するのか、基本的な手順を見ていきましょう。

自社のバリュープロポジションを明確にする

BtoBでペルソナを作成する場合は、まず自社のバリュープロポジションを明確にすることが重要です。

バリュープロポジションとは、「自社にしか提供できない、顧客のニーズを満たす価値」を意味します。簡単に言うと、競合他社にはない独自の強みや特徴であり、顧客に選ばれる理由です。バリュープロポジションを明確にすると、「顧客が求める価値(ニーズ)に対して、どのような価値(商品・サービス)を提供できるか」がクリアになり、適切なペルソナを設定しやすくなります。

バリュープロポジションを決めずにペルソナを作成すると、自社の提供価値を求めていない顧客像になる可能性もあるため、必ず明確にしておきましょう。

ターゲット企業を設定する

次に、ペルソナを作成する際の方向性を定めるために、ターゲット企業(顧客層)を設定します。具体的には、業種や規模、地域などの基本的な属性情報でセグメント化(グルーピング)していきます。

ターゲット企業の設定では、既存顧客のデータが参考になります。例えば、「売上の上位20%の顧客企業」といった切り口で基本的な属性情報を整理すると、どのような業種・規模の企業に支持されているかがわかるため、ターゲットとするべき企業も見えてきます。

購買関係者の情報を収集・整理する

ターゲット企業(顧客層)が決まったら、商品・サービスの検討や購入に関わる人物の一覧表を作成し、ペルソナを作成するための情報収集を行います。

一般的に、商品の情報収集から選定・購入に至るまでのプロセスは企業の規模などで異なり、それに応じて適切なアプローチ方法も変わってきます。そのため、ペルソナを作成する際は、設定したターゲット企業の意思決定プロセスと購買関係者を明確にしておく必要があります。

購買関係者に関する情報収集は、社内に蓄積されている顧客データ(SFAやCRMツールなど)を活用するとよいでしょう。それらを元に、過去の取引のプロセスや意思決定に関わった人物の属性情報を整理し、ペルソナを設定する個人(担当者や決裁者、キーパーソンなど)を決めます。

また、個人ペルソナの作成では、業務上の悩みやパーソナリティなども具体的に設定するため、アンケート調査やインタビュー調査で情報を収集しましょう。既存顧客などに調査を実施することで、意思決定に関わる人物の特徴や、定性的な情報を把握することができます。

ペルソナを作成する

収集・整理した情報を元に、「企業・組織のペルソナ」→「個人のペルソナ」の順にペルソナを完成させます。

「企業・組織のペルソナ」で社風・企業風土など既存の顧客データでは設定が難しい項目がある場合は、企業と接点のある営業部門やカスタマーサポート部門などの担当者にヒアリングを実施すると有用な情報を得られることがあります。

「個人のペルソナ」では、企業・組織のペルソナの内容も考慮に入れながら作成します。BtoBのペルソナでは個人の性格や好みを掘り下げて作る必要はありません。あくまでもビジネス上の人物像を把握することが目的であるため、パーソナリティについては「周囲の意見をよく聞いてから判断するタイプ」「新しい取り組みへの関心が強い」など、仕事における性格傾向を設定しましょう。

なお、ペルソナは共通性・代表性のある情報を元に作成することが基本です。自社にとって都合よく購入してくれる「理想的な顧客像」を作り上げないよう、注意しながら作成しましょう。

ターゲット企業のペルソナを設定しよう

企業を訴求対象としたBtoBマーケティングのペルソナ設定では、「企業・組織のペルソナ」と「個人のペルソナ」の2種類を作成します。企業および購入に関わる人物のペルソナを設定することで、自社の関係者間で同じ顧客像を共有できるようになり、一貫性のある施策を展開しやすくなります。BtoBマーケティングの成果を上げたい場合は、ターゲット企業のペルソナを設定してみてはいかがでしょうか。

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