グループインタビューとは?|
調査の基本概要とメリット・注意点

24 February.2022 / グループインタビュー

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生活者やユーザーの様々な「生の声」を収集したい場合におすすめなのがグループインタビューです。とはいえ、やみくもに実施すると失敗する可能性があるため、まずは調査の基本的な特徴を押さえておく必要があります。

そこで今回は、グループインタビューの基本概要・メリットや、実施前に知っておきたいデメリット・注意点を解説します。

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インタビュー調査の基本的なテクニックや注意すべきポイントを具体的な例を交えながらご紹介します。

グループインタビューの基本概要

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まずは、グループインタビューとはどのような調査なのかを見ていきましょう。

グループインタビューとは

グループインタビューとは、複数名(4~8人程度)の調査対象者を集め、座談会形式でインタビューを行う調査手法です。「フォーカスグループインタビュー(FGI)」や「集団面接法」とも呼ばれ、定性調査の代表的な手法として商品開発やマーケティングに用いられます。

グループインタビューでは、進行役を務めるモデレーターが調査テーマに沿って質問を投げかけ、対象者に自由に発言してもらいながら様々な意見を引き出していきます。

グループは類似した属性(年齢、商品使用状況、ライフスタイルなど)をもつ人で構成し、属性が異なる複数のグループにインタビューを実施するのが一般的です。1グループあたりの調査時間は90~120分程度です。

複数名で話しやすいテーマが適している

グループインタビューは複数名で気軽に話しやすいテーマが適しています。調査テーマの一例を以下に挙げます。

  • コンセプトや広告の評価
  • パッケージデザインの評価
  • ターゲット層や競合他社ユーザーの実態把握
  • 属性別のユーザー特性の把握

このようなテーマであれば他人の前でも意見を言いやすく、既存商品や新商品に対する率直な意見・評価、ユーザーの使用実態やニーズなどを引き出しやすいです。

グループインタビューの特長・メリット

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グループインタビューには次のような特長やメリットがあります。

複数人の「生の声」を収集できる

ネットリサーチや郵送調査のようにアンケートを配信・郵送する手法は、用意された選択肢から選んで回答する形式が多いため、リアルな感想や意見を収集しづらいという側面があります。自由記入欄で得られる情報量も限定的です。

その点、グループインタビューでは複数人にじっくりと話を聞くことができるため、生の声を多く収集することができます。対象者の服装や雰囲気、発言するときの表情・間合い・仕草といった非言語情報からも、対象者の本音や感情を読み取ることが可能です。

意見交換が活性化しやすい(グループダイナミクス)

グループインタビューならではの大きなメリットとして、参加者同士の相乗効果(グループダイナミクス)が期待できる点が挙げられます。

個別に行うインタビューとは異なり、グループインタビューでは参加者同士で自発的な意見交換やディスカッションが始まる場面も出てきます。属性や価値観が近い人の意見に触発され、「それについて、私の場合はこうでした」「そういえば、こんな使い方もしてみました」などと、話し合いが盛り上がりやすくなります。

新たなニーズやアイデアの発見につながる

グループダイナミクスが働いて活発な意見交換がなされることで、より多くの意見を収集できるようになります。幅広い意見の中には、これまで認識していなかった商品の魅力や新たなニーズ、商品アイデアの種が含まれていることがあり、商品・サービスの改善や新たな客層の発掘に役立ちます。

グループ間の違いを比較・分析できる

一般的なグループインタビューでは、以下のように属性やライフスタイルが異なる複数のグループに分けて実施します。

<グルーピングの例>

  • 「独身」「既婚・子供なし」「既婚・子供あり」
  • 「共働き・フルタイム勤務」「共働き・パートタイム勤務」「専業主婦」
  • 「ヘビーユーザー層」「トライアルユーザー層」「未使用者」「他社ユーザー」

属性が異なれば、生活において重視する点や商品に求める機能、使用シーン、使用頻度等に違いが見られることがあります。グループインタビューでは各グループの特性を顕在化し、ニーズや価値観にどのような違いがあるのかを比較・分析することが可能です。

グループインタビューのデメリット・注意点

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グループインタビューには様々なメリットがありますが、デメリットや注意点もあります。特に気を付けたいのは以下の4点です。

統計的なデータは得られない

グループインタビューで取得する情報は「質的な情報(定性データ)」です。質問と会話を通して生活者やユーザーのリアルな意見を引き出す調査であるため、数値や割合で表すような定量的・統計的な分析には不向きです。定量分析でターゲットの傾向を知りたい場合はアンケート調査を行いましょう。

個々のインサイトは深堀りしにくい

グループインタビューでは、調査項目に沿ってすべての対象者からまんべんなく意見を引き出す必要があります。2時間程度のインタビュー時間はたっぷりあるように思えるかもしれませんが、様々な質問項目があるため個々のインサイトやペルソナを深堀りすることは難しいです。

パーソナルなテーマには不向き

初対面の人たちの前で自分のことを話すグループインタビューは、お金や病気などデリケートなテーマには適していません。実施したとしても、本当の実態や本音を語ってもらえない可能性があるため、パーソナルなテーマの場合はデプスインタビューを実施することをおすすめします。

モデレーターのスキルに依存する

グループインタビューの成否はモデレーターの力量にかかっていると言っても過言ではありません。

モデレーターは、調査フローに沿って質問を投げかけるだけではなく、ポイントとなる発言があれば、他の人にもその点について話を向けるなどして会話を促進させる必要があります。また、発言内容がテーマから脱線してきた場合は、さりげなく本題に戻さなければなりません。

そのため、モデレーターの一定の技量がなければ、グループインタビューを円滑に進行しながら様々な意見を引き出すのは難しいという点は否めません。グループインタビューを実施する際は、モデレーターの経験値やスキル感も確認しておくことをおすすめします。

グループインタビューのデメリット・注意点

グループインタビューを実施すれば、一般的なアンケート調査では収集しづらい生活者・ユーザーの「生の声」を多く収集し、生活実態や商品に対する率直な意見を把握することが可能です。また、グループ間のニーズや価値観の違いを比較することで、自社ユーザーや競合ユーザーについて理解を深めることができます。

グループインタビューを検討している方は、ご紹介したメリットや注意点を踏まえて実施してみましょう。

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