株式会社オプト
カスタマージャーニーの精度が向上。
課題の解像度が上がり提案クオリティがアップ
牛乳石鹼共進社株式会社様は、牛のマークのカウブランドで知られる化粧石けん・化粧品のメーカーです。『ずっと変わらぬやさしさを。』という理念のもと提供される製品の数々は、100年以上にわたって人々に愛用されています。
品質第一主義を貫く同社では、商品企画・マーケティングにおいても“消費者の声”を重視。よりスピーディに定性調査を行えるよう、チャットインタビューサービス『Sprint』を導入されました。
今回は同社が数量限定アイテムとして2019年から毎年発売している『カウブランド赤箱ビューティクリーム』の開発において、Sprintをどのように活用し、どんな成果を得られたのか、マーケティング部の藤松 源様と商品企画担当の松元 裕貴様にお話を伺いました。
牛乳石鹼共進社株式会社
/ マーケティング部
/ 藤松 源 様
牛乳石鹼共進社株式会社
/ 商品企画担当
/ 松元 裕貴 様
――まずは事業内容とご担当の業務内容を教えてください。
藤松:
弊社は牛のマークが目印の「カウブランド 赤箱」「カウブランド 青箱」をはじめ、ボディケア・フェイスケア・ヘアケアなどの製品を製造販売している会社です。1909年(明治42年)に創業し、2019年に110周年を迎えました。
私はマーケティング部に所属しており、様々なブランドの商品企画に携わっています。
松元:
私も同様にマーケティング部に所属していて、商品企画にあたっています。
――Sprintを導入したきっかけと、導入前に抱えていた課題を教えてください。
藤松:
商品企画やマーケティングにおいては、常に顧客を起点とすることを強く意識しています。メーカー側の視点に寄ってしまうと、思い込みでプロジェクトを進めてしまったり、新たな気づきを得られなかったりするためです。
新商品やリニューアルのプロジェクトを立ち上げる時は、1on1のデプスインタビューやグループインタビューなどの定性調査を実施して消費者の声をなるべく聞いてきました。ですが、定性調査は時間・費用がかかりますし、マンパワーもとられます。プロジェクトを進める過程で調べたいことがいろいろと出てきても、頻繁に実施できないという課題がありました。
定量調査の場合は、アンケートフォームを使って、気軽に情報収集する仕組みをすでに構築しています。定性調査においても、もっと気軽に消費者の声を聞ける仕組みを作りたいという思いがずっと傍らにありました。
そんな時にSprintのサービスを知り、これならメンバーが気軽に定性調査ができると考え、導入することを決めました。
松元:
Sprintのご担当が弊社に来てインタビューの実演を見せてくれたことも、導入のきっかけとして大きかったです。マーケティング部所属の多くのメンバーで拝見したのですが、「こんなに簡単に一般消費者の声が聞けるのはすごい!」という声がたくさん上がりました。
――Sprintのどんな点に魅力を感じましたか?
藤松:
定額プランなので、いつでも何回でも利用できる点が非常に使いやすいと思いました。その都度費用がかかると稟議・決裁のフローを踏まなければならないため、スピード感も落ちますし面倒です。定性調査が必要になるメンバーは15名ほどいるので、定額プランであれば全メンバーが気軽に利用できるという点で魅力的だと感じました。
もう一つは、自分でモニターのスクリーニングができることです。目的に応じて「聞きたい人」は変わるので、簡単にスクリーニングできる仕組みはとてもいいなと思いました。
――Sprintをどのような場面で、どんな風に活用されていますか?
松元:
いろいろな商品企画・マーケティングの場面で利用していますが、今回は『カウブランド赤箱ビューティクリーム』を商品企画した時のことをお話しします。
開発においてSprintを活用したのは4回です。1回目はコンセプトの検証です。赤箱の香りをお風呂だけでなく、アウトバスでも楽しめるクリームというのが大きなコンセプトとしてあり、これに対する反応を確認しました。このコンセプトは、以前にとったアンケート調査で「赤箱の保湿クリームが欲しい」という声が非常に多かったことが起点となっています。
事前に定量調査で赤箱・青箱を使っている方はどのクリームを使っているのかをリサーチして、これをもとにSprintのスクリーニングでは「赤箱を使っていて、かつ該当のクリームを使っている人」という条件で絞り込み、20~30人ほどにインタビューをしました。ヒアリングしてみると「保湿力は欲しいけれど、べたつき感は少ないほうがいい」という声が多く、処方を検討する際のヒントになりました。
2回目は、チューブタイプと缶タイプのどちらの形状が響きそうかを確認しました。Sprintは画像を見せることができるので、仮の試作品を見てもらいながら声を集めました。すると、「赤箱のデザインは缶のほうがかわいい」という声が大多数を占める一方で、「缶はバッグの中で蓋が開かないか心配」など、持ち歩きの利便性を考えるとチューブタイプが良いという意見も見られたんですね。
缶の形状のほうが優勢ではありましたが、ぜひ持ち歩いて欲しいという思いがあったので私の中で迷いが生じてしまい、そこで3回目の調査を行いました。
缶タイプのクリームを実際に外出先で利用しているか、どれくらいの大きさまでなら持ち歩いているのかを調べたんです。このリサーチで、缶タイプでも家の外で使用していることやバッグで邪魔にならない適切な大きさがわかり、缶タイプでいこうと決めることができました。くわえて、蓋はキュッとしめられるようにして、中身が漏れないようにするというヒントも得ました。
4回目は、缶のパッケージデザインの確認です。3パターンの試作品の画像を見せて、反応が一番よかった赤一色のタイプに決めました。
――Sprintを実際に利用してみた感想を教えてください。
松元:
初めに感じたのは、一般の消費者とのチャットが楽しいということです(笑)。調査をしている・されているという雰囲気ではなく、チャット形式のフランクな会話の中から多くのヒントを得られるのが非常に魅力的だと思いました。
商品企画を進める中では、「これも聞いておきたい」ということが後追いでいろいろと出てきます。これまでは上長から「この部分も確認したほうがよいのでは?」というフィードバックがあった場合に、そこから定性調査を組んで確認するのは難しいケースが多々ありました。
「Sprintで聞ける」という手段を持てたことでフットワークが軽くなりましたし、細部のフォローアップ確認もしやすくなりました。自分自身が迷った時や修正が必要という場合も、すぐにお客様の声を聞いて確認できるので心理的な安心感もあります。
――Sprintを導入して、どのような成果やメリットがありましたか?
松元:
商品企画の工程ではお客様の声を聞いてみたい場面が多々出てくるのですが、Sprintを導入してから、短時間で即実行できるようになったことが大きな成果です。半日あれば何人かに聞いてみることができて、そこで重要なピースを得られることもあります。企画・開発者にとって、このスピード感は大きなメリットだと思っています。
また、Sprintで赤箱ビューティクリームのコンセプトを提示した時に「夢のような商品ですね」というコメントをいただいたことがあり、その一言がプロジェクトを進める間、ずっと心の支えになっていました。企画・開発者は常に何かしらの迷いを抱えながら動くので、自分が考えている商品が響くお客様がいることを実際に確認できていることは大きなモチベーションになります。
藤松:
思い立ったらすぐに定性調査ができるのは、大きなメリットだと実感しています。定性調査を実施している回数も以前と比較して大幅に増えているので、お客様の声・インサイトを起点にするという弊社の考え方を実行ベースに落とせていると思っています。
また、オフラインの定性調査は準備から実施まで相応の時間がかかりますが、Sprintでは担当者の工数削減ができていることも大きなポイントですね。SprintにはBOTが自動対応してくれる機能があるので、たとえばインタビューを終える際の一般的なやり取りはBOTに任せるという使い方もできます。
定性調査を気軽にスピーディにできる仕組みを作るという、導入当初の目的をしっかり果たせていると思っています。
――今後、Sprintをどのように活用していきたいとお考えですか?
松元:
現状、とても効果的に活用できているので、引き続き商品企画進行の要所で使っていきたいと思っています。商品企画者として自己肯定が必要な場面でも活用したいです(笑)。
藤松:
メーカー側の視点に偏らないためのツールとして、様々な場面で活用していきたいですね。お客様の声を聞いてみるという意識を高めるためにも、継続的に使っていこうと思っています。
――導入を検討中の企業様に向けて、Sprintのおすすめポイントを一言お願いします。
松元:
調査から得られる結果だけではなく、企画・開発者の自信やモチベーションアップにつながるツールだと感じています。商品企画に携わる方は、ぜひ活用してみて欲しいです。
藤松:
企画や開発をしていると、社内の賛否両論にぶつかって迷いや不安が生じることがあります。そんな時にも“消費者の声”に立ち返ることで、方向性を見定められたり、勇気づけられたりします。Sprintは消費者と企業をつないでくれるツールですので、ぜひ一度活用してみてはいかがでしょうか。
社名 | 牛乳石鹼共進社株式会社 |
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事業内容 | 化粧石けん・化粧品の製造販売。カウブランドの化粧石けん・ボディソープ・フェイスケア・ヘアケア製品、入浴剤など幅広いラインナップを提供。 |
従業員数 | 370名 |
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