オンラインインタビューの基本|
定性調査をオンラインで実施する手順・メリット・注意点
インタビュー調査などの定性調査はオンラインで行うことも可能です。ただし、手順や注意点を理解していないとスムーズに実施できないことがあるため、基本ポイントは押さえておきたいところです。
そこで今回は、オンラインインタビューを実施する手順やメリット・注意点を解説します。
オンラインインタビューとは
まずは、オンラインインタビューとはどのような調査手法なのかを見ていきましょう。
特徴・実施できる調査の種類
オンラインインタビューは、インターネット回線で対象者と映像・音声をつないでインタビューを行う調査手法です。ZoomやGoogle MeetなどのWeb会議システムを用いるのが一般的で、通信環境とカメラ・マイク付きのパソコンやモバイル端末があれば実施することができます。
オンラインインタビューで実施できる調査には以下のものがあります。
● 行動観察調査(エスノグラフィ)
場所の制約を受けずにさまざまな定性調査を行うことができるため、オンラインインタビューを取り入れる企業が増えています。
実施フロー
オンラインインタビューは以下のような手順で実施します。
- 調査企画
マーケティング課題から調査目的を明確にし、インタビュー調査の設計を行います。
- 対象者の選定・リクルーティング
調査目的に沿ってインタビューの対象者を選定します。一般的には、モニタや調査パネルにスクリーニング調査(事前調査)を行って絞り込み、候補者に電話でリクルーティングを行います。インタビュー時に使用する端末や通信環境についても確認します。
- インタビューフローの作成
インタビューの質問項目や質問する順番をまとめた調査票(インタビューフロー)を作成します。
- 対象者への案内・接続テスト
対象者にインタビューの日時やインタビュー用のURL、注意事項などを連絡します。また、必要に応じてインタビュー参加者の接続環境を確認するための事前チェックを行います。
- インタビュー実施
対象者にインタビュー用のURLにアクセスしてもらい、インタビューを実施します。
オンラインインタビューを得意とする調査会社に依頼すれば、企画から対象者の選定、実査、分析まで一括代行してもらえます。
オンラインインタビューのメリット
オンラインインタビューは、調査を実施する企業や参加者にとって以下のようなメリットがあります。
遠隔地や外出しづらい人にもインタビューできる
オンラインインタビューの最大のメリットとも言えるのが、場所の制約を受けずに調査を実施できる点です。通信環境があれば誰でも参加してもらえるため、国内外を問わず様々な居住地の方の話を聞くことができます。
また、育児や介護などで外出が難しい方でも、気軽に参加していただくことが可能です。対面調査だと参加が難しい状況の方々もリクルーティングできるようになるため、出現率が低いターゲットの声も集めやすくなります。
自宅の様子を確認できる
オンラインインタビューは自宅から参加する方が多く、画面を通じて対象者のリアルな生活スタイルを確認することが可能です。定性調査では、質問の受け答え以外の情報も分析の参考になるため、自宅の雰囲気や生活感を視覚的に捉えることができるのは大きなメリットです。また、商品の使用状況などを、普段使っている場所で再現してもらいながら話を聞くこともできます。
参加者の負担が少ない/リラックスして話せる
インタビュー会場まで出向いてもらう必要がないため、対面調査と比べて参加者の負担は少ないと言えます。通信環境の確認など多少のやりとりは発生しますが、移動時間などが無いので気軽に参加してもらいやすくなるでしょう。また、自宅など慣れた環境で参加できることは、リラックスにもつながり、率直な意見を引き出しやすくなります。
低コスト・スピーディに実施できる
会場費用や参加者の交通費、会場の準備にかかる人件費などが不要となるため、コストを抑えることができます。また、対象者の移動時間や会場の空き状況を考慮する必要がないことで日程調整がしやすくなり、スピーディに調査を実施できます。
感染リスクを気にする必要がない
新型コロナウイルスなど感染症のパンデミック下では、対面でのインタビュー調査は実施困難であるため、調査の中止を余儀なくされることがあります。その点、オンラインであれば計画通りに実施することが可能です。感染リスクを気にする必要がないため、対象者も安心して参加することができます。
オンラインインタビューのデメリット・注意点
オンラインインタビューには多くのメリットがある一方、デメリットや注意点もあります。
対象者はネット環境が整っている人に限定される
オンラインインタビューの対象者は、パソコンやモバイル端末の所持者かつ通信環境が整っている人に限定されます。また、Web会議システムを使用する必要があるため、Webツールに抵抗が無い人が望ましいです。
そのため、パソコンやインターネットに不慣れなシニア世代などにとってはハードルが高い可能性がありますが、事前説明やサポートを丁寧に行えば問題なく実施することが可能です。
機材トラブル・通信障害のリスクがある
パソコンの設定の問題や通信障害などで、「音声が聞こえない」「映像が途切れてしまった」といったトラブルが生じるリスクがあります。事前の接続テストで確認しておけば回避できるものもありますが、不測の事態でインタビューを継続できなくなる可能性もあります。そのような場合にどう対処するか、あらかじめ検討しておきましょう。
グループダイナミクスが起こりづらい
オンラインでグループインタビューを行う場合は、参加者同士の相乗効果(グループダイナミクス)が起こりづらい点に注意が必要です。グループインタビューでは属性や価値観が近い人でグループを構成するため、活発な意見交換が期待できます。
その点、オンラインだと対面のようにテンポよく会話が進みづらいことがあるため、司会者(モデレーター)がタイミングよく一人ひとりに話を向けるなどの工夫が必要です。
オンライン実施に不向きな調査もある
パソコンやモバイル端末は、使用するデバイスによって物の見え方や色味が異なります。そのため、細かな形状や色味まで確認する必要がある調査には適していません。また、インタビュー中に資料や画像を提示する場合は、スマートフォンだと見えづらいことがあるため注意が必要です。
オンラインインタビューで調査の幅を広げよう
オンラインインタビューを取り入れれば、さまざまな地域・ライフスタイルの人にインタビューを実施することができます。対象者の負担軽減やコスト削減にもつながるなど、企業・参加者にとってメリットが多い手法なので、一度実施してみてはいかがでしょうか。
オンラインインタビューの選択肢の一つとして、チャットを活用したインタビューサービス『Sprint』もおすすめです。約5分で対象者とのマッチングを行い、すぐに30分間のリアルタイムインタビューを実施することができます。
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