新規事業に役立つインタビュー調査とは|
調査の種類と進め方のポイント

28 June.2022 / インタビュー調査

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新規事業を成功させるには顧客理解を深めることからスタートします。そこで役立つのがインタビュー調査です。事業アイデアに対する反応など、定量調査だけでは見えてこない実態をつかむこともできます。

本記事では新規事業のどのような場面にインタビュー調査が役立つのか、また調査の種類や進め方のポイントを解説します。

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インタビュー調査の基本的なテクニックや注意すべきポイントを具体的な例を交えながらご紹介します。

新規事業にインタビュー調査を活用すべき理由とは

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新規事業を立ち上げるにあたっては、十分な情報がないまま手探りで進めているというケースも少なくないでしょう。しかし、事前にインタビュー調査を行いターゲット層のリアルな声を収集することで、リリースしたものの全く反響がないといったリスクを避けることが可能になります。

まずは、インタビュー調査が新規事業のどのような場面に有効なのかを見ていきましょう。

ニーズやアイデア発見の糸口となる

新規事業を考える際のファーストステップとなるのが、市場のニーズをつかむことです。どのようなニーズがあり、どのようなソリューションを提供していくのかを検討する上でインタビュー調査が役立ちます。

インタビューでは対象者の生活実態といった表層的な情報だけでなく、その背景にある悩みや欲求といったインサイトを発見することができます。社内の議論だけでは思いつかないようなニーズを発掘できるなど、新規事業のアイデアが見つかることもあります。

アイデアを検証できる

ターゲットとなる対象者にインタビューを通じて事業アイデアを提示し、反応を見たりフィードバックをもらったりするという活用方法です。事業化を進める前にアイデアを検証することで、市場に受け入れられるのか、どのような層のニーズが高いのかなどを確認できるため、手戻りを避けやすくなります。

また、早期にアイデアを検証することで、事業化における時間的・コスト的な無駄を省けるというメリットもあります。

企画をブラッシュアップできる

新規事業の立ち上げは、意思決定の連続となります。たとえば、プロダクトの機能やパッケージ・ネーミング、提供方法、価格設定など、様々な要素において市場での競争力を高めていくための判断をしなければなりません。

これらの判断材料となる情報を収集する上で、インタビュー調査が役立ちます。対象者のリアルな声を参考に、必要な要素を追加したり改善したりするなど企画内容をブラッシュアップしていくことができます。

試作品の反応をテストできる

プロダクトをリリースする前に、インタビュー調査を実施して試作品の反応を見ることができます。たとえば、複数の試作品を提示して評価が高いものを検証する、改善すべき部分を明らかにするといった活用方法があります。また、どのような点が評価されているのかを知ることで、プロダクトの訴求ポイントをつかむことも可能です。

プロモーション施策の効果アップに役立つ

プロモーション施策を検討する際も、インタビュー調査が役立ちます。たとえば、複数の広告デザインやキャッチコピーを用意し、もっとも興味を喚起するものや購入意欲を高めるものを選んでもらうといった方法があります。また、ターゲット層に有効なチャネルを明らかにすることもできます。

新規事業に役立つインタビュー調査の種類

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新規事業に活用できるインタビュー調査には、対象者とモデレーターの1対1で行うデプスインタビューと、複数名の対象者を集めて実施するグループインタビューの2種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

デプスインタビュー

デプスインタビューとは、対象者とモデレーターが1対1で対話しながら実施する調査手法です。デプス(深さ)という言葉からわかる通り、1人の対象者にじっくりインタビューすることで行動実態などの表層的な情報だけでなく、行動の背景にある深層的な部分まで把握することができます。

デプスインタビューの特徴は、次のように整理できます。

  • 対象者自身も認識していない潜在的なニーズやインサイトを探ることができる
  • 定量調査ではつかみきれない、細かな生活実態や行動・心理を把握できる
  • 病気やお金に関することなど、デリケートなテーマでもヒアリングしやすい

デプスインタビューでは対象者の発言に応じて臨機応変に質問を掘り下げていくことができるため、詳細な情報・深い情報がほしいという場合に適しています。

グループインタビュー

グループインタビューは、複数名の対象者を集めてテーマについて自由に議論をしてもらう座談会形式で実施します。属性やライフスタイルなどが共通する4〜8名程度の対象者を1つのグループとし、モデレーターは活発な意見が出るように進行していきます。

グループインタビューの特徴には、次のようなことが挙げられます。

  • 複数名から効率的に情報収集できる
  • 参加者同士が影響し合い、活発な意見交換がなされるグループダイナミクスが期待できる

グループインタビューは、議論が活発化するにつれ多様な意見が出やすくなるという特徴があります。事業アイデアや試作品、広告表現についての評価やその理由を確認したい場合など、短期間でたくさんの意見を集めたいときに適しています。

インタビュー調査を実施する際のポイント

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インタビュー調査で対象者から有益な情報を引き出すには、留意すべきことがいくつかあります。とくに押さえておきたいポイントを整理しました。

目的と用途を明確にする

インタビューを行う前に調査を実施する目的と用途を明らかにしておくことで、対象者の絞り込みや質問設計がブレなくなります。以下の点に留意しながら明確化します。

●調査目的

  • 何を明らかにするための調査か
  • 解決したい課題は何か
  • どのような気づき・発見を期待する調査なのか

●用途

  • 調査結果を何に活用するのか

対象者を絞り込む

インタビュー調査では、「どのような人」に聞くべきなのか、対象者の絞り込み(スクリーニング)が重要になります。対象者の要件を明確に決めることで、「いざインタビューをしてみたら必要な情報を得られなかった」といった失敗を防ぐことができます。

調査目的に照らし合わせながら、次のような観点で検討します。

  • 属性(性別・年齢・居住地・職業・家族構成など)
  • 調査テーマについて関与度が高いか(利用経験がある、興味関心があるなど)

インタビューフローを作成する

インタビューフローとは、どのような質問内容をどの順番で聞いていくのかを決めたシナリオのことをいいます。インタビューをスムーズに進行できるよう、事前に作成しておきます。

次の3つを整理して、ドキュメントとしてまとめます。

  • 調査目的に沿って必要な質問項目を決める
  • 質問する順番を決める
  • 各質問の時間配分を決める

ただし、実際のインタビューでは対象者から自由な意見を引き出すことが重要になります。インタビューフローを作る段階で細かく質問内容を決めてしまうと、臨機応変な対応が難しくなることがあるため注意が必要です。

作成する際は「必ず確認すること」「掘り下げたいポイント」を決め、全体の流れを整理することに重点を置きましょう。

インタビュー中は聞き役に徹する

インタビュー調査は、モデレーターの対応が調査結果に大きく影響します。対象者から本音を引き出すには、以下の点を押さえながら聞き役に徹することが重要です。

●インタビュー中の姿勢・表情に注意

対象者は、インタビューに際して不安や緊張を抱きやすいものです。モデレーターの姿勢や表情は、対象者に少なくない影響を与えることを心得ておきましょう。対象者がリラックスして話せるよう、腕を組むなど圧迫感を与える姿勢をとらないように注意し、穏やかな表情を保つようにします。

●反応はニュートラルに

対象者の発言内容によってモデレーターの反応が変わると、対象者は無意識のうちに良いリアクションを得られるように答えてしまい、調査結果にバイアスがかかってしまうことがあります。どんな意見に対しても、ニュートラルに対応するようにしましょう。

●答えを誘導しない

新規事業に携わっていると、その思い入れから自分が求める答えに誘導してしまったり、事業に対する賛同を得たくなったりすることがあります。こうした気持ちが前に出てしまうと、よい調査結果を得ることができません。質問を投げかけたら、対象者が思うように発言できるよう聞き役に徹します。

対象者との対話から新規事業成功のヒントを得る

インタビュー調査は対象者との対話を通じて、様々な気づき・発見を得られる手法です。定量調査だけではつかめないインサイトを捉えられるなど、新規事業の成功に大いに役立ちます。ここで紹介したポイントを参考に、ぜひ様々な場面に役立ててください。

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