デプスインタビューのやり方|
実施方法と失敗しないためのコツ7つ

10 February.2022 / デプスインタビュー

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デプスインタビューとは、対象者と1対1で対話しながら行動の背景にある動機や期待、願望、価値観などを明らかにする定性調査のこと。意思決定に至るプロセスやインサイトを見つけ出し、商品開発やマーケティング活動に役立てることが目的です。ここでは、デプスインタビューのやり方と失敗しないためのコツを紹介します。

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デプスインタビューのやり方

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デプスインタビューは、準備段階を入念に行うことが成功の秘訣です。具体的な進め方を5つのステップに分けて説明します。

1.調査目的・計画策定

まずは調査の目的を明確にし、関係者間で認識のずれが起きないように言語化します。決めるべきことは、次の2つです。

  • どのような課題を解決するために、何を明らかにする調査か
  • 調査で得られた情報を何に活用するのか

また、計画策定では以下のことを決めておきます。

  • インタビューで集めるサンプル数(実施する人数)
  • 調査期間
  • インタビューする場所・方法(オンライン・リアルなど)
  • 予算(対象者への報酬など)

調査目的によりますが、一般に一つのテーマに対して集めるサンプル数は10名程度が理想とされています。これは、多様な見解や気づきを得る上では10名前後にインタビューすれば、ある程度カバーできるとされているためです。

2.対象者の選定

次に、対象者の属性や要件を決めてリクルーティングします。デプスインタビューは1対1でじっくり話を聞き出すため、調査テーマに合った対象者を選定することが重要になります。

たとえば、「○○の利用経験がある人」「○○に関心がある人」「こんなときに○○の行動をとった人」というように、調査テーマについてヒアリングできるかどうかを確認するための要件を設定してスクリーニングします。

要件設定を曖昧にしてしまうと、インタビューをスタートしてから「使ったことがないのでわからない」「あまり興味がない」というように、有益な情報を得られなくなってしまうため、この工程は念入りに検討しましょう。

また、デプスインタビューは60〜120分程度の時間をかけて質疑応答するため、積極的に対話をしてくれる人や、自分自身の選択基準をしっかり話せる人が望ましいといえます。

3.インタビューフローを作成

インタビューフローとは、どのような質問をどの順番で聞いていくかを決めたシナリオのことです。以下の点を整理しておきます。

  • 必ず確認する項目
  • 質問の優先順位
  • 質問する順番
  • 質問ごとにかける時間の目安

デプスインタビューでは、回答に対して「なぜ?」と問いかけ、その理由や影響を受けた事柄、どんな状態を期待しているのかなどを深掘りしていきます。インタビュー中に臨機応変に質問を追加したり変更したりする必要があるため、対象者の反応に対して、どんな点を深く掘り下げていくかを事前に整理しておくとスムーズです。

4.インタビュー実施

インタビューでは対象者がリラックスできるように配慮し、傾聴の姿勢で臨むことが大切です。対象者は「間違ったことをいってしまうのでは……」という不安を感じがちなので、事前に正解・不正解はないことを伝え、自由に発言できる雰囲気を作りましょう。

また、対象者の反応を観察する中で、質問項目や聞き方、順番を変えたほうがよいケースが出てくることもあります。この場合は、インタビューフローを見直して調整します。

5.分析・レポート

●アフターコーディング

類似した内容をグルーピングしてコードを振り、定量的に分析する手法です。ポジティブ・ネガティブの割合を出すなど、傾向をつかみたいときに役立ちます。

●KJ法

KJ法とは、同系統の内容をグループ化して、関係性を明確にする分析手法です。どのような因果関係や相関関係、対立関係があるのかを図解で整理して共有します。

このほか、対象者の言葉からキーワードを抽出する、行動や意思決定プロセスの背景にある価値観を抽出してグルーピングするなどの方法もあります。調査結果の用途に応じて、最適な形を検討しましょう。

デプスインタビューを成功させる7つのコツ

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デプスインタビューは対象者の本音に迫る調査手法であり、失敗を防ぐためにはいくつかのコツがあります。ここでは、押さえておきたいポイントを7つ紹介します。

対象者の心理的な壁をなくす

インタビュー調査では、対象者が「うまく答えられるか不安」と思っているケースが少なくありません。まずは、リラックスしてインタビューに臨んでもらえる雰囲気を作ることが大切です。

たとえば、冒頭のアイスブレイクで場を和ませるといった工夫があります。また、どのような回答であっても、興味を示したり共感の姿勢を見せたりして、対象者の心理的な壁をなくすように心がけることも重要なポイントです。

答えやすいように質問する

対象者の本音を引き出したいあまりに、いきなり核心的なところに踏み込んだり、「なぜ?」を繰り返したりすると、圧迫感を与えてしまうことがあります。対象者の反応を観察しながら、簡単に答えられる質問→一歩踏み込んだ質問へと「答えやすさ」を意識して進めることが大切です。

体験を思い出させるように質問する

人は直近の記憶が強く残りやすいため、過去のことを正しく思い出せないことがあります。この場合は、その当時の記憶を呼び起こすような関連質問を投げることで、当時感じていたこと、考えていたことなどを思い出してもらいやすくなります。

オープンエンドな質問をする

オープンエンドな質問とは、「はい・いいえ」や「AかBか」などの決まりきった回答にならないようにする質問のことです。たとえば、「○○について最初にどういう印象を持ちましたか?」といった聞き方をすることで、対象者は自由な発想で答えることができます。

デプスインタビューは、こうした自由な発言からインサイトを探ることができるという特長があるため、気づきを得られる聞き方をすることがポイントです。

回答を誘導しない

インタビューをする側は、どのような回答になるのかをある程度予測してしまうため、無意識に「こういう回答であるはず」という方向に誘導する聞き方をすることがあります。対象者も普段からあまり深く考えていない事柄については、誘導されるままに「そうですね」といってしまうケースが多いものです。

このような状態で答えを得ても、定性調査として価値のある情報になりません。質問する際は、常にニュートラルな状態を保つように意識しましょう。

質問は臨機応変に

対象者によって重きを置いている価値観や行動、プロセスは変わるものです。質問票の通りにインタビューするだけでは、深層にある部分がつかめないことがあります。

デプスインタビューでは、対象者に合わせて臨機応変に質問内容を変えることも重要になります。発言の中で気になることがあったら、掘り下げてみるのも一つのコツです。

反応を観察する

対象者が発する言葉だけでなく、質問に対する反応や態度、表情、何気ない仕草といった反応を観察することで本音に近づくことができます。とくに対象者が強い反応を示す事柄や大きなリアクションをする場合は、そこにヒントが隠れていることがあります。注意深く観察して、深層心理を探るように努めます。

定量調査では得られないインサイトを見つける

デプスインタビューは、定量調査では得られない潜在ニーズやインサイトの発見に役立つ調査手法です。反面、インタビューフローの設計をしっかり行う必要があり、モデレーターには質問力が求められるといった難しさもあります。ここで紹介したコツを参考にして、有益な情報を得られるデプスインタビューに役立ててください。

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