カスタマージャーニーとは|
基礎知識とカスタマージャーニーマップの作り方

28 June.2022 / カスタマージャーニー

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カスタマージャーニーとは、顧客が商品・サービスを認知してから購入・利用に至るプロセスのことです。購買行動が多様化している現在、顧客理解を深めるための方法として重視されています。

ここではカスタマージャーニーとは何か、またカスタマージャーニーマップを作るメリットと作り方の手順をわかりやすく解説します。

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カスタマージャーニーとは

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カスタマージャーニーとは何か

カスタマージャーニーとは、顧客の購買行動における一連のプロセスのことです。一般に購買行動は「商品・サービスの認知→興味・関心→比較検討→購入→利用→再購入」の流れをたどります。これらのプロセスを時系列に整理し、各タッチポイントにおける顧客の行動・思考・感情などを可視化したものをカスタマージャーニーマップといいます。

購買行動のプロセスからわかるように、顧客との各タッチポイントではマーケティング部門や営業部門、カスタマーサポートなど多くの部署が関わります。そのため、カスタマージャーニーを考える際には、各部署が連携しながら顧客情報を集めることが必要になります。

いまカスタマージャーニーが重視される理由

購買行動モデルは時代とともに変化し、従来のテレビや雑誌、新聞といったマスメディアを通じて受動的に情報を受け取っていた時代から、現在ではインターネットでの情報検索が日常的に行われ、口コミやSNSも活用するというように能動的に情報を集める時代になっています。

そのため、商品企画・開発やマーケティング活動においては、多様化している顧客の購買行動やその背景にある課題、価値観などを的確に把握し、有効な施策を展開していくことが求められています。カスタマージャーニーは、顧客についての理解を深め、顧客体験の向上へとつなげていくための有効な手法として必須の取り組みになりつつあるといえるでしょう。

カスタマージャーニーマップを作るメリット

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カスタマージャーニーマップを作成するメリットは、次のように整理できます。

顧客への理解が深まる

購買行動が多様化・複雑化している今、一連の購買プロセスを把握することは一筋縄にはいきません。カスタマージャーニーマップを作成することで、ターゲットとなるユーザーがどのような思考・感情を持ち、どのような行動をとるのかが可視化され、顧客について理解を深めることができます。

また、一人ひとりに適したマーケティングを行うパーソナライズ化にも対応しやすくなるため、より効果的な施策を展開できるようになります。

顧客起点での発想による顧客体験の向上

商品・サービスの企画・開発やマーケティングを行っていると、どうしても自社の視点で考えがちになるものです。カスタマージャーニーマップを作るにあたっては、顧客の情報収集から始まり、顧客の行動・思考・感情を精査していくことが求められます。

この工程を経ることで、顧客視点で自社の商品・サービスを見直すことができるというメリットがあります。顧客を起点とした発想ができれば、結果として各タッチポイントにおける顧客体験の向上につながります。

社内の共通認識の醸成による迅速な意思決定

カスタマージャーニーマップを作成することで、社内の関係者間での共通認識を醸成しやすくなるというメリットがあります。顧客の購買プロセスと自社の課題が可視化されるため、施策内容や優先順位についての目線が合い、迅速な意思決定が可能になります。

また、部門を超えて顧客への提供価値を考えるきっかけになるため、サービス力の向上やブランド力の強化につながっていくことも期待できます。

カスタマージャーニーマップの作り方

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カスタマージャーニーマップの作り方を4つのステップに分けて整理しました。ポイントとともに見ていきましょう。

ステップ1:ペルソナを設定

まずは、カスタマージャーニーの対象とするペルソナを設定します。ペルソナとは、自社の商品・サービスのターゲットとなる典型的なユーザー像を、まるで実在する人物であるかのように詳細に設定したものです。ペルソナを用いることでユーザー像が鮮明になり、精度の高いカスタマージャーニーマップの作成が可能になります。

カスタマージャーニーマップでは、1枚のマップにつき1人のペルソナを設定するのが基本です。これは、購買行動とその背景にある価値観や課題・ニーズを解像度高く分析していく必要があるためです

BtoCでペルソナを作る際に必要となる要素には、次のものがあります。

  • 基本情報(年齢・性別・居住地・職業・収入・家族構成など)
  • 趣味・嗜好
  • ライフスタイルや休日の過ごし方
  • 情報収集の手段やよく使うメディア

BtoBの場合は、企業や担当者の基本情報にくわえ、事業・組織の目標と課題などの要素からペルソナを作っていきます。

盛り込む要素を決めるときは、自社の商品・サービスにおいて、どのようなことを明瞭にすると施策を検討しやすくなるのかを意識することがポイントです。また、顧客の購買行動は市場動向や流行などによっても変わるため、ペルソナが実態と乖離していないか、随時見直して更新することが大切です。

ステップ2:フレームを設定

次にカスタマージャーニーマップの横軸・縦軸に入れる項目を決めて、フレームを設定します。

横軸には購買行動のプロセスを「認知→興味・関心→比較検討→購入→利用→再購入」のように時系列で並べます。縦軸には、それぞれのフェーズにおける自社とのタッチポイントとなるメディアや場所、そのときの顧客の行動・思考・感情を記入する枠を設ける形が一般的です。

カスタマージャーニーマップの用途に応じて、縦軸に自社の課題や理想的な顧客体験、施策の方向性などの枠を設けると整理しやすくなります。

ステップ3:顧客情報を収集

カスタマージャーニーマップのフレームを埋めるための顧客情報を集めます。想像ではなく、できるだけリアルな情報を収集するのがカスタマージャーニーマップの精度を高めるポイントです。

情報収集の方法には、次のようなものがあります。

●定性調査:

  • デプスインタビュー(対象者とモデレーターの1対1で実施)
  • グループインタビュー(対象者を4~8名程度集めて座談会形式で実施)

●定量調査:

  • アンケート調査
  • 購買履歴データ
  • アクセス解析

このほか、自社の営業担当やカスタマーサポートなど顧客接点を持つ部署からも情報を集めます。

ステップ4:マッピング

顧客情報を集めたら、フレームにマッピングしてカスタマージャーニーマップを完成させます。

このステップでの注意点は、自社にとって都合のよい情報ばかりを反映させないように顧客視点を強く意識しながら進めていくということです。客観性やリアリティを担保する上でも、マッピングの作業は他部署の協力を仰ぎながらチーム体制で行うことが理想的です。

顧客の購買行動は目まぐるしく変化しているため、完成させた1年後には実態に即していないというケースが出てくることも珍しくありません。そのため、一度作ったら終わりではなく、定期的に見直してブラッシュアップしていくことが大切です。

質の高いカスタマージャーニーマップを作成して顧客体験の向上を

カスタマージャーニーマップを取り入れることで、顧客の目線に立って自社の商品・サービスを見直すことができるようになります。また、部署間で共通認識を醸成しやすくなるため、よりスムーズに施策を展開しやすくなるというメリットもあります。ぜひ質の高いカスタマージャーニーマップを作成して、顧客体験の向上に役立ててください。

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